「ドナウの真珠」と讃えられる街。2004年に初めてこの町を訪れた。このときの印象は国会議事や王宮、そしてそれらを含むドナウ川の景観は確かに美しいと思ったが、東駅から北へ少し行くと建物自体は立派でも何となく貧困の匂いがした。ひとつ驚いたのはブダペストには温泉が多いということだ。池の中から湯気の立っている場所すらあった。そして素晴らしいオペラがあった。
2007年5月再び訪れ、その変貌ぶりに目を見張った。わが国でもフォリント建の債券が販売されるほど経済が発展してきており、前回貧困の匂いのしたあたりもクリーンに変貌していた。

 ブダペストへ  温泉
 公共交通機関  その他の見所
 王宮の丘   ホテル
 国会議事堂   レストラン
 ゲデレー   ハンガリー国立歌劇場 
 子供鉄道   オペレッタ劇場 

ブダペストへ

日本からブダペストへは直行便は無い。 空路ブダペストに入る場合にはフランクフルト、ミュンヘン、ウィーン、コペンハーゲンあたりで乗り換え、ブダペスト フェリヘジ国際空港に到着することになる。
この空港は鉄道が来ていないので、市中心部へ行くにはタクシーかエアポート・ミニバスないしは市バスから地下鉄に乗り換Airport Minubus Counter at the airportえて行くことになる。 エアポート・ミニバスはホテルまで行ってくれるので初めてブタペストを訪れる人にはお薦めだ。私は過去2回ヒルトン・ブタペストを初日の宿にしたが、空港からこのホテルへ行くには3回も乗り換えねばならないので、エアポート・ミニバスを使っている。エアポート・ミニバスに乗るにはまずカウンターで行き先のホテルを言い、チケットを購入する。カウンターは小さい空港なのですぐ見つかる(写真)。税関を出て右奥だ。料金は2007年5月現在2,300フォリント。
鉄道の場合にはウィーンから約3時間で頻繁にある。ベルリン、ドレースデン、プラハ(ECで6時間42分)、ブラティスラヴァ方面からの直行列車も何本かあり、中欧各国を訪問する場合便利だ。これらはいずれも東(ケレティ)駅 Budapest-Keleti pu (下写真)に到着する。
Budapest - Keleti pu.ウィーンからのバスはデアーク広場 Deák Ferenc Tér 近くのバス・ターミナルに、ウィーン、ブラティスラヴァからのデアーク広場から10分ほどのドナウの右岸につく。

公共交通機関Milleneum Underground

ブダペストの公共交通機関の中心はM1、M2、M3の3つの地下鉄路線だ。この3本はデアーク広場で交わっている。M1(右写真)はハンガリー建国1000年を記念し1896年に開業し、ミレニアム地下鉄 Milleneum Underground と呼ばれ、小型の車両が非常に浅い場所を走っている。M2とM3は対照的に非常に深いところを走っており、長大なエスカレーター(下写真)が設置されている。これらの地下鉄は早くて便利なのだが一つ困るのは終電が早いということだ。11時を少し過ぎるといずEscalator of M2 Undergroundれの線も動いていないので帰りの時間を気をつけないといけない。
郊外へ行くにはヘーブ HÉV というコミューター鉄道がある。M2終点の Örs Vezér Tere からはゲデレー Gödöllő 方面行きが、同じくM2の Batthyány tér から北へドナウ左岸をオーブタ方面へ向かう線、そしてペスト南部から南に向かう2つの線がある。
数年前までトラムはブダペストを縦横に走っており、旅行者には大変便利な交通機関であったが、現在市中心部の路線は殆ど廃止されたようだ。それでもドナウの両岸を走る路線やゲッレールト温泉方面へ行く路線など、観光客が使える路線が多い。
バスとトロリーバス網は市内を網の目のように網羅している。
これら公共交通機関はブダペスト交通局(BKV)により運営されている。2007年8月現在シングル・チケットは230Ft、1日券1,350Ft、3日券3,100Ft、7日券3,600Ft。パスの場合は地下鉄、バス、トロリーバス、王宮の丘のケーブルは全線で利用可能だ。ただしヘーブとバスの場合にはブダペスト市境までの区間のみ有効であるので注意が必要だ。
最近検札が頻繁に行われている。地下鉄の場合にはヴァリデーション・マシン(時刻印字機)より中に入るにはチケットは必要だ。くれぐれも無賃乗車で罰金を取られないよう!

その他の見所

Central Market (inside)中央市場 ドナウ川にかかる自由橋のペスト側に素晴らしいアール・ヌーヴォー様式のファサードを持つ建物がある。これが中央市場 Központi Vásárcsarnok だ。Samu Pecz により設計されたこの建物は1897年に青果市場として開業した。その内部(右写真)の広いこと、またカラフルさには感激させられます。1階には主に食料品、2階には軽食堂、衣料品など、そして地下には広い売り場面積を持つスーパー・マーケットのマッチ Match が入っている。トカイ・ワインなどは1階または地階のマッチにたくさん販売されている。
市民公園 地下鉄1号線英雄広場から英雄広場を抜けると右手前方湖の先にに立派な城が見えてくる。この一帯1,400mx900mが市民公園 Városliget だ。この公園はアンドラーシ通り、ミレニアム地下鉄などとともにハンガリー建国1000年を記念して1896年に造られた。この中には Ignác Alpár の設計のもと1896年に完成し、その後1907年に現在の形になったヴァイダフニャド城 A Vajdahunyadvár és a Műjégpálya、1913年完成のヨーロッパ最大級の温泉施設セーチェニ温泉 Széchényi Gyógyfürdő などがある。

Hilton Budapestホテル

ブダペストのホテル宿泊料は非常に高い。支払はフォリントで行うのだが、その表示がユーロ建てになっているところが大半だ。
2004年にはヒルトン・ブダペスト、ダヌビウス・ホテル・ゲッレールト、ベストウェスタン・グランド・ホテル・フンガリア、2007年にはヒルトン・ブダペストとホテル・デリバブに宿泊した。
ヒルトン・ブダペスト ブダペストにはヒルトンが2つある。ひとつはヒルトン・ブダペスト・ウェストエンド・ホテルでペスト地区の西駅 Nyugati pu. 前にある。ここで紹介するはヒルトン・ブダペスト(右写真)は王宮の丘にあり、13世紀のドメニコ会修道院の遺跡を保存しながら建てられている。その遺跡ではオープン・エアーのコンサートやオペラの上演がある。裏手には「漁夫の砦」がありここからのドナウ対岸の眺めは素晴らしい。マーチャーシュ教会もすぐ隣だ。ということで王宮の丘探索の基地としては絶好であるが、交通のMaisonette Type Guest Room at Hilton Budapest便はあまり良くない。地下鉄M2のモスクワ広場 Moszkva tér から城バスでマーチャーシュ教会前で下車。モスクワ広場から歩いても5分程度なので、私はよく歩く。客室はさすがにすばらしく、特に2007年にふたたび宿泊した際には「Welcome back」ということで、メゾネット・タイプの部屋(左写真)を用意してくれた。下がリビング、中2階がちょっとしたミーティング・スペース、そして上階がベッド・ルームとバス・ルームだ。HHonorsのポイントで宿泊した。カテゴリー5で一泊35,000ポイント。料金もシーズン・オフならアドバンス・パーチェス(事前支払。変更、キャンセル不可)であれば€110.00プラスTAX程度から泊まれるのでヒルトンのウェッブ・サイトから調べてみるとよい。私は大変気に入っているホテルである。
ホテル・デリアブ 2007年に初めて宿泊したホテル・デリバブ Hotel Délibáb はインターネットで見つけたホテルでM1の英雄広場駅 Hősök tér から2-3分の3星ホテル。ネオ=ルネッサンス・スタイルのヴィラをホテルにしたものである。私が泊まった時はシングルで朝食、TAX込みで€64.00であった。便利なロケーションだが、天井が高くエレベーターがないため3階(実際には4階)の部屋までスーツケースを運ぶのに汗をかいた。朝、近くの英雄広場やその背後にある市民公園 Városliget を散歩するのは気持ち良い。
ダヌビウス・ホテル・ゲッレールト ダヌビウス・ホテル・ゲッレールトDanubius Hotel Gellert は1918年開業のブダペストを代表する温泉ホテルである。NHK-Hiの「青きドナウの旅」で温泉の内部まで紹介されたのでご存知の方も多いだろう。アール・ヌーボー様式の温泉、特にプールは美しい。ホテル宿泊客は温泉を無料で利用できる。ドナウ川左岸ブダDanubius Hotel Gellert地区ゲッレールトの丘の南、自由橋 Szabadság hid のたもとに位置する。トラムはホテル前に止まる。 2004年私はシングルの最も安い部屋に宿泊したが、部屋は2-3畳程度、それにシャワ-とトイレがついているかなり悲惨なもの。確か朝食付きで€60.00位だったと記憶している。たまたま朝食時に日本人の老夫妻が話しているのが聞こえてきた。彼らの話では以前泊まった他のダヌビウスのスパ・ホテルに比べ相当落ちると言うことだった。

レストラン

Király Étterem 王宮の丘(ヒルトン・ブダペストよりも北)にあるこのハンガリアン・レストランではNHK-Hiの「はるかなる音楽の旅」シリーズ「ロマへの道」で紹介された著名なジプシー・バイオリニスト、プカさん Puka Károly 率いる楽団(プカさんのヴァイオリンの他、チンバロン、ヴィオラおよびベース)の演奏を聴くことができることでお薦めの場所だ。おまけに毎日9時からはブタペスト・オペレッタ劇場の歌手も加わってオペレッタの名曲を踊りを交え聴くことができる。オペラのない日に8時前から9時半ころまでのんびりと彼らの演奏を楽しもう。なお計算書にはサービス料が含まれているのでチップに二重払いにご注意。
KlasszKlassz étterem ブダペストのメイン・ストリート、アンドラーシ通りを国立オペラ劇場から英雄広場方面へ少し歩くと右側にこのイタリアン・レストラン Klassz étterem がある。劇場が引けた時間でもやっているので国立オペラ劇場でオペラを見た後に立ち寄るのに好都合だ。この店のユニークな点は店の奥の方にワインの瓶の入った箱がいくつもおかれていて、ワイン・リストからテースティングする感覚でいろいろなワインを試すことができる。グラス(0.33L)一杯280Ft.位から。リゾット(良い味だった)にワイン3種類、それとデザートで3,420Ft.と良心的な値段だ。おかげで地下鉄の終電に乗りそこなってしまった。住所は Andrássy Utca 41。
Arany PinceArany Pince Vendéglő デアーク広場からKodály körút をM2のアストーリア Astoria 方面に歩き、Dob Utca へ左に折れると左前方に Arany Pince の表示が見える。階段を下りた地下がレストランだ。ここも夜11時までやっているので、エルケル劇場や国立オペラ劇場が引けた後に利用している。庶民的なレストランだ。住所はDob Utca 4。
Szép Ilona セーブ・イロナ(Beautiful Ilona)はブダペスト郊外のハンガリアン・レストランだ。モスクワ広場から56番のトラムに乗り Budagyongye 下車、三差路を左に行った右側にある。私は2004年この名前(第二次大戦中のブダペストのレストランを舞台とする名画「暗い日曜日」の主人公がイロナ)につれてこのレストランを訪れてしまった。そんな場所だから日本人は私だけかと思っていたのだが、もう一組日本人が家族連れで来ていたのには驚いた。料理もおいしく、子供鉄道への行き帰りに利用すると良いだろう。住所はBudakeszi ut 1 - 3。

旅行年月日 :  2004年10月23日 - 2004年10月28日
            2007年 5月22日 -  2007年 5月25日